この世界の片隅に、肉サイン会。

この2つがここ数日で面白かったことです。

この世界の片隅に

ようやく今日、観てきました。行きたい劇場で公開してなかったので、劇場拡大するのを待ってたので。

で、すんばらしいですね。

この映画の素晴らしさを伝えるのは難しい。きっと私たちはこの映画を褒める言葉をまだあまり持っていない。しかしここで諦めないように。ここは未開拓地であるのだ、開拓しましょう。

開始1分で泣きそうになるが堪える。画面に、流れている空気に、愛情が溢れている、すごい。異常とも思えるクオリティの映像が流れ続ける。音楽も素晴らしい。主演ののんさんの演技が素晴らしい。が、誰が演じているかなどは本来作品の評価とは別であるべき、と思い一度のんさんのことは忘れる。というか忘れさせられる。彼女にしか演じられなかったであろう役、キャラクターとして完全に同化して生きていた。素晴らしい。

もう戦後70年なのですね。丁寧に当時の生活をいきいきと描くことが、リアルに寄れば寄るほどもはやそれはファンタジーに近づいていくのですね。戦争映画ともいえるしそうでないとも言えるけれども、ようやくこのように戦争を描けるようになったのですね。戦争を描かないことで戦争を描くことになる。細部を仔細に描くことで全体を浮かび上がらせる。戦争中であってもそこに生きる普通の人の普通の生活を丹念に描く。水を汲んでご飯を作って食べて、掃除をしたりなんやかんやと生きていく。それでも日々は続いていく、ということをただただ強く感じた。何があろうと人は生きていくし、そこには生活があるし、それがたまらなく愛おしい。戦争という極限状態と日々の生活というごく当たり前の状態、その両方を意味の分からないほどのクオリティで描いている、なんだこれ。戦争のシーンはリアル寄りに、日々のシーンはほんわかと描き分けることでどちらも際立つ。そんな細かい考察は周回組に任せそう。とにかくすごいものを観た。2016年は本当に映画が豊作すぎる、今年どしたの。

 

土曜日に小林銅蟲先生のめしにしましょう発売記念の謎イベント、肉サイン会に行ってきました。会場は中津のシカクという素敵本屋。アクセスあんまよろしくなくて初めて行ったけど実によいお店、また行こう。

小林銅蟲先生は初めてお会いしたけど、実際に見るといよいよおめがさんにしか見えなくなるのが面白い。おめがさんは可愛いけど小林銅蟲先生にしか見えない、なにこれみたいになり、最終的に小林銅蟲先生も可愛いのでは、というところに落ち着く。なんだこれ。単行本にサインやらイラストやらを描いてもらった。サインペンでさらさら書くと見慣れたキャラクターが本当に出てくるのは実際に見るととても面白い。漫画家すごい。私は手の届かない人はちゃんと手の届かないところで憧れの対象としていて欲しいタイプのファンなので、好き避けみたいになってろくにお話もできずにそそくさしてしまった。

あと、肉サイン会なので巨大なカツ煮が出てきたんだけどこれが本当にすごい体験だった。おなじみの低温調理のちカツを煮たものなんだけど、とにかくカツがデカい。会場に煮る前のカツがたくさんあったのだけど、まぁ大きめのリンゴ?くらいある。これくらいの大きさのモノを自分の頭が食べ物として認識できなくて、ぱっと見てそれが巨大なカツだということはわかるんだけど、なんかガッと掴むくらいの(ソフトボールみたいな感じ)なんかモノがそこにある、という認識になる。すごい。ペットボトルとかどれだけわかりやすい比較対象の大きさのものと一緒に写真を撮っても大きさがうまく認識できない、遠近法とかなんやが歪みだす面白い体験。食べてる時も視覚として大きさが正しく認識できていないのか、皿がやたらと重く感じるのが面白い。僕の頭は肉を「厚い」「薄い」などと表現するので「枚」として数えることのできる板状のモノ、として認識しているので、縦横高さがほとんど同じくらいになると頭が混乱するのかもしれない(あれ、でもサイコロステーキはいけるな、大きさも関係あるのかも)ともかく、面白美味しい体験でした。白米持参して良かった。多分すごい量だったと思うけど完食してしまった。あと、めしにしましょうすごい面白いです。どう考えても頭がおかしいのにノンフィクションなところが最高です。あと単行本で続けて読むと分かりやすいんだけど連載が進むにつれて世界が加速していく様が見ててすごく楽しいです。あとがきで勝手にエモくなったし(エモいって言いたい)売れ行きも好調らしいのでもっともっと売れて小林銅蟲先生にどんどんお金が入ればいいと思う。あと単行本が出た直後にブラックフライデーのセールでanovaが安くなってやたら売れてるのもすごく面白かったです。そろそろanovaも小林銅蟲モデルを出せばいいと思います。

 

まぁそんなこんなで私の日々は流れていきます。

そういえばレコーディングに遊びに行ったんですけど(本当に遊んでました、ゲームして漫画読んでました)コーラスとかちょっと参加したんで、よくよく考えたら自分の声が入ったCDが全国のタワレコとかに並ぶのちょっと面白いですね。何をしとるんだね。

 

あ、あと昨日友達から古き良きインターネットのお伽話、みたいな話を聞きました。懐古主義とか老害とか何と言われようと最高でした。神話の時代が終わろうとも日々は続くのです。とにかく、気付けばいい時間ですね。それでは今日は寝るとしましょう。

 

とっぴんぱらりんのぷぅ。