近場旅行。
とにかくここ数日、なんやかんやがあーだこーだでしかしまぁなんとかやっていくためにショート・トリップ(森絵都)をぶちかますことにした。幸か不幸か私は最近はバックパッカーも愛用している異様に安く宿泊できる街からそんなに離れていないところに住んでいるので、とりあえず楽天トラベルで宿を確保する。飽きの次は退屈がやってくるし、その先は死しかないので、他の人からは無駄な贅沢のように見えるかもしれないが、これはこれで生きる為の必要な行為なのだ。
鞄に本とパソコンと着替えを入れて街にやってきた。どこにでもない街みたいなものに対して漠然とした憧れがある。きっとそれは頭の中にしかないものだけれど。半裸のお時間が路上でビールを飲みながら(しかもジョッキで)将棋をしていたので、オッやっとるな、みたいな気持ちになる。
とりあえず宿にチェックインする。なんかすごくそういう風に見える写真になってしまった。カーテンを開けるともう少し部屋は明るい。三畳だけれどテレビエアコン冷蔵庫Wi-Fiがあって、近所の銭湯の無料入浴券まで付いてきて一泊1500円。この街ではわりといい方と宿なのだ。エアコンを買ってきた水を冷蔵庫に入れたり本を机の上に置いたりパソコンを電源に繋いだり、部屋を自分の居心地のいい空間にする作業はとても楽しい。
部屋に物を配置して、とりあえず落ち着いたので外を歩いてみる。ネット予約はしていない宿がたくさんあるので、次は予約せずにきて宿を探そう。看板の宿はなかなか良さそうだった。
近くにわりとおしゃれな感じのカレー屋があった。味もおいしくて、お値段もわりとお手頃でよい。日本で最もディープな場所にあるカレー屋らしい(書いてあった)
うろうろしていると猫がいたので軽く遊ぶ。その辺にいたおじさんに各猫の名前を教えてもらったのだけれど(4匹ぐらいいたのだ)聞いたそばから忘れてしまった。
宿に戻っている途中で賑わっている弁当屋さんがあったのでさっきカレーを食べたばかりなのにのり弁を買ってしまった。旅先では食べ過ぎてしまうなぁ、ということにしておく。部屋の机に弁当を広げると「この部屋からまたやり直そう。真面目に働いてこの部屋を脱出するんだ…!」みたいな雰囲気の写真が撮れて楽しい。あと弁当がおいしい。最近読めてなかった本を読みまくろうと思って一泊なのに4冊も持ってきたのに、満腹のせいか読み始めるとすぐに寝てしまった。
*
昼寝から目覚めると夕方で、本が進まないのでまた街を散歩する。ええ感じの立ち食いのホルモン屋さんがあったのでホルモンを食べながらチューハイを飲む。アルコールはできるだけ控えるようにしているので一杯だけにしておく。ホルモンがとにかくジャンクな味付けでよい。雰囲気ではなかったので写真は撮らず。ホルモン3本とチューハイで500円でお釣りがきたのがとてもよかった。隣のおじいさんが「月末持ってくるから」と言ってツケで飲んでいたので印象的だった。
*
部屋に戻ってまた寝たり起きたりしながら本を進める。旅先では少し外に出るときでも冷房を入れっぱなしにすると帰ったきた時に部屋が冷えていて気持ちよくてよい。安い宿泊代なのに電気代もかかりそうで悪いなぁとは思う。気がつくとわりともうええ感じの夜で、晩ごはんを食べに外に出た。宿の周りに安いいい感じの居酒屋はわりとあるのだけれど、1人だしお酒も飲む気もないので意外と選択肢が少ない。わりとどこにでもあるようなチェーン店の定食屋でご飯を唐揚げ定食を食べた。もう少し時間が早かったらいろいろご飯屋さんも空いていたのにな、と思う。
無料券の戦闘は歩いてすぐなのでよい。のんびり風呂に浸かってなんとなく旅の疲れを癒しているような気待ちになる。特に疲れるような距離でもないし、一日のんびり過ごしているのだけれど、まぁ気分がよければそれでよいのだ。
*
翌朝のチェックアウトは9時なので意外と一泊なんて早いものだなぁと思う。あまり夜更かしして寝坊してもアレなので、早く寝ようと思ったのだけれど今日はウィンブルドンでフェデラーの試合があったので早く寝られるわけもなかった。フェデラーの試合がとにかく素晴らしくて、ほんと今年のフェデラーは完全に全盛期なのでは、みたいな動きだった。とにかくプレーが美し過ぎて(特にバックハンド)思わず感動して笑っちゃうし泣きそうになる。第1セット第2セットはほぼ完封もよかったけど、第3セットでややプレーが乱れてきたようなところからの追い上げが見ててとても胸が熱くなった。あと、観客も実況もみんなフェデラー好きすぎるのがウケる。今年のウィンブルドンはフェデラーが獲るかもしれませんね。フェデラーはウィンブルドンが良く似合う。やはり芝の王者なのだ。夜更かしはしてしまったのだけれどとても気持ちよく寝た。掛け布団がこれ冬用ですやん、みたいに重くて厚いやつだった。
*
なんとか寝坊せずに(ギリギリだけれど)ちゃんと起きて9時にチェクアウトすることができた。一泊なんてあっという間だから、何泊かしたいなぁと思う。あと、完全に本4冊は持って来すぎた。
このままささっと家に帰ってしまうと朝の10時には家に着いてしまうので、なんとなく旅行を終えたくなくて近くの喫茶店でモーニングを頼んだ。ここのモーニングは注文すると水と野菜ジュースとアイスコーヒーが同時に出てくるのがおもしろい。あと、ベーコンエッグ(卵の下にベーコンが隠れているのだ)にサラダにトーストで300円なのでとても安いのもよい。おいしい。のんびり本の続きを読む。お店は近くのおじさんがたで賑わっていてよい。本を読み終えて帰宅した。一泊するとどうしようもない私たちもぼちぼちやっていこうな、みたいな気持ちになったのがよかった。
*
この国で一番高いっぽいビルを眺めながら芝生で酒を飲む、みたいなイベントが発生した。普段わたしはお酒を飲まないようにしているのだけれど、こいつは飲むしかありませんなぁ!みたいな事態だったので久々によし飲むぞみたいな心持ちでお酒を飲んだ。なぜか水鉄砲を持ってきた奴が居たのではしゃいでしまった。普段本当に運動をしないので1分走り回っただけで20分くらい休まないといけないのは本当にひどいと思う。ご飯も酒も完全に多過ぎたので私は完全に満腹で芝生に寝転がっていた。馬鹿みたいに笑ったせいか転がりまわったせいか、腹筋とか全身とかがとにかく痛かった。こんな感じでお腹がへこめばいいなぁと思う。
*
そういえばお寿司を食べた。年々食べる量が減ってきているので、そのぶんおいしいお寿司を食べればいいのだと思う。ここのお寿司屋さんはネタがとにかく大きいのがよい。シャリよりネタが大きいのお寿司を口に入れると、一瞬頭が混乱して寿司と認識できなくなるのがおもしろい。魚が食べたい欲が満たされた。鯵のなめろうを作りたい。
疲れている時はがっつり食べたくなるのは空腹からではなくむしろストレスによるやけ食いに近いのではないかと思う。しかし疲れてささくれ立った心を鎮めてあげないといけないので、ばかにみたいにニンニクを入れたラーメンを食べた。とにかく本当にばかみたいな味がするのがよい。食べたらすぐにお腹が痛くなるのもよい。次の日はきっとすごくニンニク臭いので、それはそれで申し訳ないと思う。
*
今朝目が覚めたらホットケーキが食べたい気分だったので、朝から電車に乗ってモーニングに出掛けた。
ここのホットケーキはメレンゲがとにかくふわふわで、それにばかみたいにメープルシロップを掛けて食べるのがとてもよい。カフェインを控えるようにと思いながらも結局アイスコーヒーを飲んでしまった。これで430円なのもとてもよい。あと、椅子の座り心地がわりとよくて、ついつい長居してしまう。椅子の座り心地のよい喫茶店を自分の中にたくさん持っていたい。
わざわざ電車に乗ってモーニングを食べに来たのは、ついでに買い物をしようと思ったからだ。なんだかもう完全に夏なのだけれど夏にどんな服を着ればいいかよく分からなくなったので、ええ感じの服を求めてセールに出掛けた。久々に服屋で服を探すと、最近はよくわからない格好をしているのでそれがどこのファッション的な文脈にも属していないので、どこの店にどんな服を探しにいけばいいかわからないし、そこに対してしっかり勉強とかをしようという気にもならない。もういっそ甚兵衛とか作務衣とかを着て過ごしたいなぁと思う。夏っぽい服を探しに行ったはずが気付けば長袖のシャツを買っていた。あと、いい加減しっかり痩せようと思う。
*
買い物をしたついでにお気に入りのゲーンセンターに行った。今日はこのゲームをワンコインクリアするまで帰らない、という決意で始めたのだけれどやればやるほどどんどん崩れてきてどうにもならなくて結局8回で終了した。毎回ワンコインクリアするまで帰らないと決めてやれば、どんどん上達するのだろうなぁと思った。集中力とかそういうレベルの話じゃなくてとにかくクリアするんだよ、みたいな世界に早くたどり着きたい。
*
そういえば森見登美彦の夜行を読み終わった。とにかく中盤の少し怖いような雰囲気がとてもよかった。テンションを抑えてもよいものを書くなぁと思う。しかしまぁ私は有頂天家族の三作目を心待ちにしているので、さぁさぁ!書いてください!みたいな気持ちなのだ。あと、今日はYouTubeからパッヘルベルのカノンの弦楽四重奏が流れたらもう一気に当時の気分になったので、本当にあの呪いは根深いものだなぁと思う。
それでは私はフェデラーの応援に専念しますのでこのへんで失礼します。
とっぴんぱらりんのぷぅ。