村上春樹的生活。

私は個人的な事情や信条の元に最近は働かずに暮らしているのだが、ある時ふと、これって村上春樹の主人公みたいじゃないかしらと思ったのだ。せっかくなのでしっかり意識してできるだけ村上春樹的な生活をしてみよう。あくまで個人的なイメージによる、村上春樹的な生活の記録です。

 

 

朝起きて顔を洗って考えるのは朝ごはんのことで、せっかくなので今日はいつもより村上春樹的なものを食べないといけない。冷蔵庫を覗いたところタマネギとクリームチーズを発見したので、クリームチーズとスモークサーモンのサンドイッチを作ることにした。天気が良いので洗濯機を回して買い物に出かけた。お気に入りのパン屋でフランスパンを買い、スーパーでスモークサーモンを探したのだが見つからない。まだオープンしたてのスーパーで品出し中の店員さんに尋ねたら「朝から鼻に付く野郎が来やがったぜ…」とか思われそうなので怖くて聞けない。30分くらい店内をひたすら探したのだけれどスモークサーモンのマリネ(野菜の上にスモークサーモンが乗っている)しか見つからないのでそばに居た店員さんに尋ねたところ、どうやら実習中の方だったらしく(名札に書いていた)完全によくわかってない顔で「無いです! 」と力強く答えられたので心が折れてスーパーを後にした。結局2軒目のスーパーでもスモークサーモンは売り切れで、3軒目のスーパーは少し見ていない間に閉店して更地になっていて、4軒目のスーパーでようやくスモークサーモンを買うことができた。朝からスモークサーモンを求めて1時間くらい近所を歩き回ってしまったし、汗もかいてしまったので、やれやれと言えばよかったのかもしれない。

 

 

タマネギを薄く切って水にさらしている間に洗濯物を干してしまう。天気がいいのですぐに乾きそうだ。タマネギの辛味がなかなか抜けないので、水に酢を加えたりレンジで温めたりしてなんとか強引に絡みを抜くことができた。フランスパンに切れ込みを入れてたっぷりクリームチーズを塗り、タマネギをスモークサーモンを挟む。塩とあらびき胡椒とパセリを振り、レモンを絞ってオリーブオイルを掛けて完成。朝なので100%のオレンジジュースと一緒にいただく。

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いつもの朝ごはんより完全にしゃれた感が出ているのでとても楽しい。せっかくなのでクリームチーズをとにかくたっぷり入れたので贅沢な感じがしてよい。私の家庭では母によってチーズは多ければ多いほどよいという教育がなされていた。クリームチーズもスモークサーモンも普段使いの食材ではないので、全体的にデパ地下の味がする。なるほど村上春樹的な食事のような気がしなくもない。

 

 

村上春樹の主人公は綺麗好きな気がするので(個人的なイメージです)ラジオを聴きながら部屋の掃除をした。ふと気が付くと散らかってしまうものなのだ。朝からええ感じのものを食べて掃除をして綺麗な部屋になると、なるほどこれは気持ちのよいものだなぁと思う。

 

 

部屋の掃除を終えたのでプールに泳ぎに行くことにした。普段はそんなことはしないけれど、今日の私は村上春樹の主人公なのだ。冷蔵庫に海外の土産でもらったやたらでかいレッドブルがあったので飲んでから行くことにする(左)ほとんど500mlくらい入っているので、一息で飲み干せないしとにかく多くて不安になる(この間レッドブルを飲んだらしばらくお腹が痛かったのだ)

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調べたところ家のすぐ近くにスポーツセンターがあるので、水着とタオルだけ持ってそこに向かった。水泳帽をレンタルして水着に着替えてプールに向かうと平日の昼間なので見事にお年寄りばかりであった。25mプールにはいくつかコースがあったので、とりあえず25m止まらずに泳ぐコースで泳ぐことにした。なにせ普段プールで泳いだりしないのでどれくらいの距離を泳ぐのが適切かわからないのだけれど、とりあえずのんびり平泳ぎで泳ぐことにした。泳ぎ始めるとやはり楽しく、できるだけ身体に負担をかけずに効率のよいフォームを考えながら泳いでいた。疲れてきて雑な泳ぎ方をすると途端に肩や膝に負担が掛かるので、力を入れずに丁寧に泳ぐことを心がける。綺麗に泳ぐことができるとほとんど疲れを感じなくて楽しい。最初は1kmを目標に、1kmを越えてもまだ泳げそうなので次は2kmを目指して、最終的には2500mも泳いでしまった。レッドブルのおかげかもしれない。泳ぎながら周りのお年寄り模様を見るのも楽しいし(車で煽るみたいにずっと後ろにべったり付いて泳いだりしてる人が居た、なんだあれ)あと、水泳部っぽい中学生らしき数人が泳ぎに来ていた。彼らはとにかくぐんぐん進む。見ていて気持ちがいい。しっかり運動をしたので、気持ちよく家に帰った。ゴーグルをせずに2時間ほど泳いでいたので目がびっくりするほど赤い。

 

 

しっかり泳いだらお腹が空くもので、スバゲティを作ることにした。ここからは村上春樹とは関係なく雑ごはんのコーナーです。雑ごはんのコーナーは男の一人暮らしの雑なごはんを必要以上に細かく伝えることでインターネットに多様性を取り戻すためのコーナーです。

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とりあえずニンニクを刻む。冷凍したニンニクを解凍すると妙に黄色くなる問題については気にしないことにしています。

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刻みました。

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今日はサラダ油で弱火でじっくりやっていきます。

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ニンニクをジリジリしている間にタマネギを適当に切ります。

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湯が沸いたのでスバゲティを茹でましょう。

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そうこうしているうちにニンニクがいい感じになります。

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タマネギをぶっこみましょう。

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炒めていきます。野菜に火が通り油に馴染んでいく様子はとてもたのしい。

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パッケージに書いてあるライトツナ〈油切り不要〉という言葉を信じて投入します。わりと油があるので不安になる。

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私は白ワインのアルコールを飛ばす作業が大好きなので、何も考えずに入れます。

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たぶん白ワインを入れ過ぎたので炒めつつ水分飛ばします。

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とりあえずめんつゆを入れた様子です。

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なんだかぼんやりした味だったので、これはまずいと思い輪切り鷹の爪と塩を加えます。

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最終的にこれでなんとかなってくれという祈りを込めてバターを落とします。

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祈りの上にスパゲティが乗りました。

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急に思い出したかのようにあらびき胡椒をを振ります。

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皿に盛って完成。とにかくおいしいのだけれどそのおいしさの6割くらいはバター由来なので、改めてバターという食材のパワーに気付かされる。100g200円くらいするし高級食材ですものね。とにかく油分がおいしいので冷えた時が怖いのでそそくさと食べた。雑ごはんのコーナーはおしまいです。

 

 

天気がいいのでもう洗濯物が乾いていたので取り込んだ。せっかくなのでアイロンをかけることにした。村上春樹的な行動(個人的なイメージ)です。

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久々に服にゆっくり丁寧にアイロンを掛けると、なんだかそれはそれでゆったりとした気分になってよい。それに次に着るときにパリッとしたやつを着れるし。

 

 

汗をかいたのでシャワーを浴びた。夏にシャワーを浴びた後にクーラーの効いた部屋で過ごすのはとにかく気持ちがよくていい。ゲームでもしようと思ったのだけれどなんとなく村上春樹的ではないので小説の続きを読むことにする。YouTubeでイタリアかどこかの綺麗な街のライブカメラの映像を流しながらラジオをかけて、なんかこれはこれでいいですなぁと思う。プールの後の午後の授業の感じがして、うとりうとりとするのが気持ちがいい。本は全然進まないけどよい午後を過ごした。

 

 

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人とごはんを食べに行く予定があったので、先に集合してお茶をしていた。もうだんだんわからなくなって来たのでミックスジュースを頼んでしまった。おいしければそれでいいような気がする。

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ハンバーグを食べに来た。おいしいハンバーグを食べて友達と話したり、そのあとでゲームセンターに行ったら、もう完全にいつも通りの感じになってしまった。まぁそれはそれで仕方ないし、おいしくてたのしいのでいいじゃない、という気持ちです。

 

 

解散した後に1人でバーにでも飲みに行ってポテトを食べたりナッツを齧ったりしようかと思ったのだけれど、最近あまりお酒を飲んでいないので行きつけのバーが無くて、あと昼間にしっかり泳いだせいでとても眠いので、まっすぐ家に帰ることにした。家にウイスキーがあったので、1人で飲もうかとも思ったのだけれど、そのままこてんと寝てしまった。

 

 

そんなこんなで村上春樹的な1日は終わった。翌日起きるとプールで泳いだ疲れが全身に残っていた。日中は我ながらそれっぽい感じで過ごせたと思うのだけれど、夜の過ごし方がすごくぼんやりとしてしまった。人生は長く、われわれはあらゆることに慣れてしまうので、たまにはテーマを持って1日を過ごすのも新鮮な気持ちを持ててよいものだ。みなさんそれぞれ求められたりしている役割を演じていることもあるのだろうから、たまには誰にも求められていない好きな役割を演じよう。普段の自分ならしないようなこともできるし、それに新しい発見もあるものだ。プールにはこれからも通おうと思う。痩せそうなので。みなさんも自分なりの村上春樹的生活を送ったり、それを教えてくれたりして下さいね。やれやれ。

 

とっぴんぱらりんのぷぅ。