映画「ここは退屈迎えに来て」が最高だったので。

とりあえずまずは本題について書きます。あとそれ以外の映画の話とか、わりとどうでもいい話をだらだらと書きます。まぁいつもどおりのやつです。

 

 

とりあえずまずは予告編。

10/19公開 映画『ここは退屈迎えに来て』予告 - YouTube

ツイッタのオタクが高海千歌の焦燥を理解できるか、みたいなことを言っていたから気になっていたんだけど気付けば上映終了間際で、滑り込みでなんとか間に合ったやつ。夢を追って東京に出て行った主人公が10年経ってまた退屈な地元に戻ってきてからの群像劇。台詞回しとか演技とか気になるポイントはいくつかあったのだけれど、そんなことなんかどうでもいいくらい刺さってしまった。退屈そうな映画だから寝てしまわないか心配だったのだけれど、ずっと愛おしさと苦しさでキリキリしていて寝る暇なんてまるでなかった。よくわからんシーンでなんだかすごく泣いてしまった。大したことも起こらない全てのシーンが、登場人物全てが本当に心の底から愛おしくて仕方がなかった。ただただ全身の幸せを、心から願ってしまった。どうしようもなく愛情に溢れた映画だった。

ここから自分の頭の中の整理のためによくわからんことをつらつらと書く。

私は何故かロードサイドの物語がとても好きだ。しかし私はロードサイドの人間ではない。地下鉄が通っているから電車が必要なわけでもないし、どちらかと言えば地方から人が出てくる都市に住んでいる。なので私はロードサイドの物語を真に理解できているのだろうか、と自問することになる。土日にイオンモールに行ってそこで全てを賄えるわけではないし、きっとこの土地に住んでいるから私みたいな曖昧な人間が曖昧な人間のままでなんとか生きてこれたのだと思う。それでも隣の街に行けばそこには広い国道、大きな駐車場付きのチェーン店、あらゆる人間を飲み込むショッピングモール、そんな風景が広がっているしそこに馴染みがないわけじゃない。なのでその寂しさのようなものを私はなんとなくで知ってはいるのだ。たぶん比較的文化的に豊かな家庭や町で育った私は画一的な街を見て、きっと私はそこからはみ出してしまうのだろうなぁと思う。それでも「それ」しか知らないのであれば私は意外と「そこ」でやっていたのかもしらないけれど。そこには文化も何もないから嫌だなぁとか思ってしまうことは、無意識で下に見てしまっているのだろうかなどと思う。サブカルをずっとやっているとこういった嫌なマウントを取るようになってしまう、よくない。映画は「夢が終わった後も曖昧に人生は続いていく」みたいな内容だったので、とても私好みの物語でとてもよかった。しかし私はそこそこ都市部に住んでいるから上京することもなく、なにかが終わることもないので区切りがつくこともないままに日々が続いていく。どちらがいいのだろうね。ここまで書いて少し気付いたのだけれど、私はきっとロードサイドの物語をロードサイドに生まれた時の私の物語として読んでいるのかもしれない。しっかしそれとは別にどんどん人が出て行って灯の少ない田舎町とかを見ると寂しくて泣いちゃいそうになったりするし、ニュータウンはこれから終わっていく街としてどうしようもなく愛おしさを感じたり、自分の感情ながら理由がよくわからないことがたくさんある。とりあえず一旦ここまで。

キャストのみなさんがとても素敵だった。橋本愛ちゃんは田舎町で浮いてる美人がすごく似合う。顔面が美しい。きっと難しい役だったろうけど見事に演じられていた。あとは黒猫チェルシーみたいな顔してる奴がいると思ったら黒猫チェルシーで笑った。援交おじさんと思ったらマキタスポーツでまた笑った。片山友希さんの身体がまっさらの身体といった感じの美しさで感動した。服を脱ぐと素敵なのに服を着ると冴えない男、みたいなことのを山本文緒で読んだ気がする。成田凌さんの持つ空気のリアルな説得力もすごかったです。ほんとに。あと、この物語は10年後の「桐島、部活やめるってよ」でもあるんだなぁと思った。桐島が好きな人にもおすすめです。私たちのさえない人生はこれからも続いていくのだ。

 

 

映画の感想三本。

 

「パラノーマルアクティビティ2」

ハロウィンなのでホラー見ようということで見た。Huluで見たんだけど、パラノーマルアクティビティシリーズ揃ったいるのになぜか1だけは無かったので、そこは言い訳の余地がないくらいにHuluはハイパー終わってる。どクソ。たまーに映画の紹介文が雑すぎるのはあれはあれでちょっとおもしろいからアリ。内容は家庭に取り付けられた固定カメラで見るモキュメンタリーホラー。定点カメラの映像ばかりなので手ブレがほとんどないので酔わないので安心して見ていられる。しっかしモキュメンタリーなので特にBGMも無く、いつなにが起こるかわからないからずっと緊張感があるのでそれはそれで疲れる。90分の投稿恐怖映像みたいな感じ。まぁ低予算でそこそこ楽しめるし、そりゃあシリーズ化しますわな、となる。なんだかんだでびっくりして声が出る。たのしい。

 

「フォーンブース」

そういえば昔流行ったけど結局見ずに終わったなーと思って。これもHulu。シュチュエーションスリラー?になるのかな。電話ボックスだけで一本映画が成立するのはお上手。それでもコリン・ファレル主演だったり低予算な感じも特にない。なんか当時はこんな感じのシュチュエーション一本の映画が流行ってた気がする。土に埋められた箱の中だけで成立する映画とか見に行った記憶がある。ちょっと甘さが感じられるのだけれど、見てる間はなかなかにたのしい。きっとこれ以降どんどん精度が上げられたのだろう。見てる時に楽しめたのだったらそれが正義。

 

「96時間リベンジ」

そういえば続編を見ていなかったので。これもHulu。ありがとうありがとうHulu。またやべえ父の家族がさらわれる。また誘拐かよって思うけど、そもそも原題がTAKEN2だから仕方がない。96時間って邦題わりと微妙だよね。続編もまた家族仲良しパートとお父さんがんばっちゃうパート。前作がヒットしたから予想外に作られた続編なのか、物語上邪魔になってきた元妻の現夫扱いがあからさまにひどいのが不憫で笑える。元CIAのハイパーお父さん、コミュ力が低いし頑固なとこもあって、家族のことを愛しているし頼れるんだけど、こんな父だったらわりと最悪だわなとしか思えないのもおもしろい。今回は娘もがんばるんだけど、娘もこの父に鍛えられたのかすげえいい動きするのもウケる。家族を救ってハッピーエンドに収まるんだけど、そもそも父親がこいつっていうのがわりと最悪で、そこが全く解決していないのがとてもいい。だんだん家族も麻痺してきている。家の中にすぐ生きるか死ぬかの空気出してくる奴いるの、ほとんど災害だろ。ほんと最悪。このハイパーコミュ障の父は別れたけど家族もいるし元同僚とも仲良くしているのに、ジョン・ウィックには愛犬1匹しかいないの逆じゃない?って思う。ジョン・ウィックにもどうか犬以外に友達とか家族を。どちらもとてもおもしろいです。

 

 

最近は毎朝目覚ましをかけて早起きをして朝活をアレしてる感じですが、毎日早起きすると毎日眠いので意外とQOLが下がるような気もするからしっかり昼寝もしないとな、くらいの暮らしを満喫しています。とてもいい。なんでか初対面の人と一緒に映画を見る機会があって、お互いの好みを聞きつつおすすめの映画の話などをしていたらすごい自然に「じゃあ2人とも見たことない映画にしましょうよ」って言われたの、まぁそんなに珍しいことでもないですけどなかなかに素敵で少し痺れました。私もできるだけ素敵な人間でいようと思います。真ん中には常に愛を。

 

とっぴんぱらりんのぷぅ。