ハイスコアガール9巻と新世界QティーとCAVEの話。

ハイスコアガール9巻が出たのではしゃいで買ってきた。

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押切先生は狭い世界のアイデンティティーで爆笑してしまってたので、ハイスコアガールは普通で物足りないなーみたいに思っていたけど、読んでみると実際やっぱりおもしろい。どうやら次の10巻で終わるらしく、お話もいよいよラストに向けて動き出した感がある。なんだかんだでハルオと大野さんを長いこと見守ってきたので感慨深い。終わってしまうのは淋しいのだけれど、物語が終わることはいいことなので、最後までまだ見届けようと思う。

 

9巻の物語の中でハルオと大野さんは大阪に行くのだけれど、いつも通りゲーセンを巡って遊ぶのだ。それで出てきた1コマに私は大きな声を上げてしまった。

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このゲームセンターは私が一時期ひたすら通っていた新世界のキューティーというゲームセンターで、まぁ私の青春そのものだった。新世界Qティーは伝説のゲーセンとかSTGの聖地とか言われていたんだけど、もうずいぶん前に閉店してしまったので意外にネット上に情報はあまり無い。私もいずれ忘れてしまうだろうから、新世界Qティーについて覚えている限りのことを書く。

 

 

私の記憶が確かなら新世界Qティーは2005年か2006年くらいに閉店した。私が通っていたのは閉店までの数年間だった。Qティーは当時はSTGシューティングゲーム)の聖地と言われていて、何故かと言うと品揃えがとても良かったのだ。他府県のゲーマーが羨ましがって、遠征に来ていたらしい。私は当時CAVEシューを中心にプレイしていたのだけど、覚えているだけでも、ダライアス(専用筐体!)、グラディウス1〜4(1は海外版のNEMESISだった気がする)バトルガレッガ首領蜂怒首領蜂怒首領蜂2、弾銃フィーバロン、プロギアの嵐怒首領蜂大往生怒首領蜂大往生ブラックレーベルエスプガルーダケツイ〜絆地獄たち〜、虫姫さま鋳薔薇、達人王、BATSUGUN式神の城2、旋光の輪舞、チェルノブ、アウトフォクシーズ、あと格ゲーがあれこれ、パカパカパッションもあった。ぐわんげエスプレイドは無かった気がする。ピンクスゥイーツの時はまだ店があった気がするけど、むちむちポークの時はもう閉店してたと思う。ギガウイングとかマーズマトリックスも見たような気がするけど記憶があいまい。斑鳩シルバーガンも見たような気がするんだけどなー。自分がしっかりプレイしていたゲーム以外はあんまり覚えていない。彩京シューも置いてた気がするけど、あんまり覚えていない。ドラゴンブレイズはあったような気がする。基本的に50円で1クレジットだったし50円で2クレジットの台もあったので、いろんなゲームをプレイしやすい環境だった。レトロゲームやシューティングが好きな私は、とても恵まれた環境にあったのだと思う。閉店1時間か30分前になると店の電気が暗くなって、筐体の画面がぼぅっと青白く光って、とても幻想的な光景だった。その時間にプレイすると周りは暗いし、他にゲームしている人も少ないので自分のゲームの音がすごくよく聞こえて、なんだか夢のような感じがした。とにかくQティーは私の青春そのものだったのだ。

 

当時、2000年前後は怒首領蜂からの弾幕シューティングブームで、CAVEが毎年のように新作を出すし(なんなら年に数本出したりもする!)他のメーカーからもたくさんゲームが出てきた。プレイするペースよりリリースのペースの方が早くて、弾幕シューが好きな人にとってはとてもいい時代だった。私も毎日のように自転車で坂を下り、Qティーに通っていた。私はそんなに上手い方のシューターではなかったので、50円2クレジットで稼働していた怒首領蜂ブラックレーベル(通称黒往生)を中心に、毎日プレイしていた。当時はまだYouTubeは無かった気がするので、攻略動画も見ることもできず、2chの攻略スレを家で読んだり(当たり前にガラケーだった)上手い人のプレイを後ろで見たり、あとは自分で死んで覚えるというスタイルだった。Qティーはアルカディアのスコア集計店でもあったのでプレイヤーのレベルが高く、上手い人のプレイを見るのには困らなかったのでそれは良かった(ただ、上手い人は1プレイが長いのでなかなか台が空かない)しんざきさんはダライアス外伝の合間に人生をやっていたらしいのだけど、そこまでとは言わないまでもひたすら黒往生を攻略する日々だった。まぁスランプやなんやかんやもありつつ、半年ほどかけて黒往生2周モードの1週目をワンコインクリアすることが出来た。最高の日々だったし、最高の体験だった。1週目の緋蜂には会うことはできたけど瞬殺された。2週目をしているのを人の後ろから見ていたけど、あれは私には無理な気がする。2週目緋蜂を倒している人もいた。見ているだけでげっそり疲れた。いつか私にも倒すことができるのだろうか。いつか飽きるのだろうか。私にとって怒首領蜂大往生ブラックレーベルは、最高のゲームだ。

 

ある日、朝9時くらいにQティーに行ったら店が開いてなかった。閉店したと思い、これからどうやって生きていけばいいんだと絶望したことを今でもまだ覚えている。別のゲーセンで時間を潰してからもう一度来たら開いていて安心した。結局それから半年くらいでQティーは本当に閉店してしまった。やっぱり私はどうやって生きていけばいいんだと頭を抱えて、それでもなんとなく生きてきた。新世界にあった他のゲーセンも閉まっていった。Qティー難民になってあちこちのゲーセンを転々としたけど、自分にとってのQティーのような場所はまだ見付けられずにいる。CAVEシューが揃っていて、黒往生を50円でプレイできるゲーセンを見つけることはできた。今でもたまに黒往生をプレイする。未だに2週目には行けない、1周目の緋蜂もまるで倒せない。

 

 

弾幕シューのブームはいつの間にか去ってしまった。CAVEはアーケードゲームから撤退した。なんだかんだで東方の方が息が長かったみたいだ。でもCAVEはスマホでソーシャルっぽいシューティングをリリースしていて、なんやかんやで好評らしい。ズレたことばっかりやりがちな会社なので、なんとか頑張ってほしい。CAVEはアーケードから撤退したのだけれど、私は黒往生で未だに遊べている。怒首領蜂シリーズだけでもまだ大復活も最大往生もある。CAVEはもう私の一生分の弾幕シューを作ってくれたのだと思うようになった。これからも遊ばせていただこう。とてもありがたい。

 

青春のゲーセンが潰れても、好きなメーカーがアーケードから撤退しても、人生は続いていく。それで好きな漫画を読んでいたら大好きな登場人物が私の青春のゲーセンで遊んでいたりするのだ。嬉しくて泣きそうになった。私にとっては個人的に最高な奇跡だ。押切先生本当にありがとう。Qティーのことを知っている人が、覚えてくれている人が居るのが嬉しい。こんなの予想だにしなかった。人生何が起こるかわからん。長生きはするべきだと思った。こんな奇跡はきっとこれからも私の人生に起こるだろうから、とりあえずは生きていこうと思う。みなさんの人生にもきっとぽっと奇跡が降ってきたりするだろうから、適当にぼちぼち生きていこうね。

 

とっぴんぱらりんのぷぅ。